犬のデンタルケアの必要性とは?その方法も解説

ライフケア

皆さんは愛犬のデンタルケアを定期的に行っていますか?デンタルケアを怠ると歯周病から内臓疾患に繋がり病気を患ってしまう可能性があります。そうならないためにこの記事を読むことでデンタルケアの必要性を理解し、愛犬の病気のリスクを下げることができます。

犬のデンタルケアの必要性

人と同様犬も歯磨きをしなければ、歯垢が溜まり歯周病や歯肉炎になります。歯周病は歯を支える歯茎に炎症が起こり、ひどくなると顎の骨を溶かします。そのため歯周病が進行すると、歯を支えることが出来なくなり、歯が抜けてしまいます。歯が抜けると食事が難しくなるため、噛むことでストレスを発散している犬には、ストレスが溜まる原因にもなります。

また歯周病は様々な内臓疾患にも関係しているといった研究結果も出ているため、歯だけではなく体全体の健康にも影響が出てきます。80%の犬が3歳までに歯周病などの兆候が出てくるため、自分のパートナーを守るためにも適切な処置をとっていきましょう。

犬の歯の構造

犬の乳歯は2週間ほどで生え、永久歯は3か月ほどで生えてきます。犬の永久歯は全部で42本あり、上の顎の片側に切歯が3本、犬歯が1本、前臼歯が4本、後臼歯が2本です。下の顎の片側には切歯が3本、犬歯が1本、前臼歯が4本、後臼歯が3本で上下合わせて42本となります。それぞれの歯には役割があり、形が変わってきます。

切歯

食べ物を嚙み切る役割を担う歯で上下で6本、計12本ある歯です。別名で問歯とも言われます。

犬歯

犬歯は4種類の歯の中で、一番長く尖っている歯です。嚙みついた獲物を固定する役割を担います。上下で計4本あり、歯石が付きやすい歯です。

前臼歯

前臼歯は食べ物を細かくかみ砕く役割があります。上下で乳歯の時は12本永久歯は計16本生えています。この歯も歯石が付きやすくデンタルケアを入念に行う必要があります。

後臼歯

後臼歯は切歯や前臼歯で細かくなった食べ物をさらに細かくする役割があります。乳歯はなく永久歯が最初から生えてきます。本数は上4本、下が6本の計10本となります。こちらの歯も歯石がつきやすいため注意が必要です。

犬のデンタルケアをはじめるのはいつから?

犬の歯磨きは乳歯が生え始めてきたらすぐはじめるのが良いです。子犬のうちから歯磨きを行うことで歯磨きに抵抗なく慣れることができます。またそれと同時に歯磨きが楽しいと子犬の時から思わせるような工夫が大事です。おやつなどでコミュニケーションを取りながら歯磨きに慣れさせましょう。

犬のデンタルケア方法

前述にも書きましたが子犬の時から慣れさせることで歯磨きに抵抗がなく慣れることができます。かといって全ての愛犬が子犬の時から育てている訳ではありません。成犬から歯磨きをはじめる際も子犬同様、まずは歯磨きへの抵抗を無くすことから段階を踏んで始めていきましょう。

①口、歯、歯茎を触る練習

いきなり歯ブラシで磨こうとすると警戒してしまったり、嫌がったりする子も中には出てきます。まずは口、歯、歯茎に触っても警戒されないように練習していきましょう。

最初に口の周りを触り、問題がなさそうであれば、歯や歯茎を触ってその都度褒めてあげたり、おやつをあげたりすることで触られるのに慣らしていくことが歯磨きの第一歩となります。

②ガーゼで歯や歯茎をなでる

口や歯、歯茎を触るのに抵抗がなくなってきたら指にガーゼを巻き、歯や歯茎を軽く撫でていきます。触っても問題がなければ歯ブラシを使っていきましょう。

③歯ブラシを使う

歯ブラシは人の子ども用の柔らかめの物か、犬用の歯ブラシがあるためそれを使うと良いです。最初は歯ブラシに対して抵抗があるかもしれないため、まずは歯ブラシを好きになってもらいましょう。

片手に歯ブラシを持ち、もう片手にはおやつを握っておきます。歯ブラシを犬が見たらおやつをあげ、歯ブラシを見る習慣を身に着けていきます。歯ブラシを見て逃げたり、歯ブラシを見ようとしなかったりする場合は、無理やりやらせてはいけません。あくまでも歯ブラシを見るようになってから歯磨きを行うようにしましょう。

数本から歯磨きをはじめる

歯ブラシを見ても大丈夫になったら、いよいよ歯を磨いていきます。まずは数本の歯から行い、徐々に磨く本数を多くしていきましょう。力加減としては優しく、肌を傷つけないように行います。外側から磨いていき、口を開かせて内側を磨かせてくれるようであれば、内側も丁寧に磨いていきます。

もし、口を開かなかったり、嫌がったりするようであれば無理に磨かず、少しずつ慣れさせていきましょう。歯だけではなく、歯と歯茎の間も丁寧に磨いていくと尚良いです。

頻度

頻度としては毎日朝晩行うのが望ましいですが、難しいようであれば最低3日に1回でも大丈夫です。歯垢は3~5日程で歯石に変わってしまうため、3日以内であれば歯石に変わる前に歯垢を落とすことができます。フードを食べてそのまま放っておくとすぐに歯石に変わります。

犬にとって歯磨きがストレスであるようなら、無理はせず、範囲を決めて上下の歯の日にちをずらして歯磨きを行うのも一つの手です。パートナーを第一に考え、あまりストレスを与えないようにしましょう。

デンタルケア効果が期待できる代用品

デンタルケアとして一番良い方法は歯磨きです。しかし、歯磨きを嫌がるようであれば犬に無理をさせてしまうのもストレスとなるため、デンタルケアの効果が期待できる代用品を紹介します。愛犬にとってどんなデンタルケアが合うのか考えていきましょう。

歯磨きガム

歯磨きガムは噛むことで歯垢の除去や歯茎の刺激になります。歯磨きガムの中には歯垢が歯に付きづらくするものもあるため、デンタルケアの効果が期待できます。

歯磨きシート

歯磨きシートは指に巻き、犬の歯や歯茎を磨くデンタルケア用品です。歯磨きの前段階としても使うことができます。

歯磨きトイ

歯の表面についた歯垢の除去効果があります。雑菌が増えないように歯磨きトイは定期的に洗ってあげたほうが良いです。

綿棒

歯磨きが難しくても、綿棒であれば面積が小さいため歯ブラシより抵抗が少なくできることが多いです。歯と歯茎の間の歯垢除去も綿棒だと可能です。

デンタルケアのNG行為

デンタルケアを行うことは、愛犬を守るためにも大切です。ただ愛犬が嫌がっているのに無理やり行うと、返って愛犬はデンタルケアが嫌いになります。そのため無理やり行うのはNG行為になります。

他のNG行為としては人間の歯磨き粉で歯を磨いたり、石などの硬いものを噛ませたりする行為です。人間の歯磨き粉にはメントールが使用されていることが多く、メントールは犬にとって有毒物質です。また石などの硬いものを噛むと歯の摩耗になるため、拾い食いをしないように注意深く散歩をしましょう。

歯石が歯に付着した場合

犬の歯磨きをしていても、磨きづらい歯には歯石が付着してしまう可能性があります。歯石が歯に付着した場合、スケーラーと呼ばれる専用の機械でしかとることができません。歯石除去する際は通常全身麻酔をかけて行います。

なぜ全身麻酔をしなければならないのかというと、歯石除去中に犬が暴れてしまうと犬がケガをしてしまう恐れがあるためです。歯石除去にはおよそ、1時間かけて丁寧に処置されます。

定期的な犬の歯の検診

前述にも書いたように歯磨きをしていても歯石が出来てしまう可能性があります。その際に動物病院に定期的に受診をしていれば、どの程度で歯石を除去するべきかタイミングがわかるため、定期的な検査を行うようにしましょう。

まとめ

デンタルケアは愛犬を病気から守るためにも必要なことです。デンタルケアを怠ると歯周病から内臓疾患に繋がりかねません。そのため歯周病などのリスクから守るには、定期的なデンタルケアと動物病院への受診が大切となります。愛犬を健康で長生きしてもらうためにも、しっかりとデンタルケアを行っていきましょう。

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